現代の和風スタイル

和モダンスタイルが、「材料」による制約を受けるものではなく単に分類するのであれば、西洋風の生活をする家のデザインに和風（日本風）の装飾を施すこと、または和風を構成していた形態を採り入れること、であったのに対して現代の和風の家は、「材料」による制約を受けるというところに、その分類のポイントが置かれると考えられます。

屋根に瓦を使用する、内装の壁を塗り壁調にする。などが主な現代和風の家を支配する考え方になっています。近代では、家を持つという行為に対して、「一国一城の主」というキーワードを用いていた一時期があります。この言葉故に、一般に日本で家を持つという場合の家屋形態としてのスタイルが「武家屋敷」をモチーフに広く造られてきたという事実を見てとることができます。この事実は、宅地規模との関係上日本の住環境の悪化の根源であったと見られることも否めません。
　
現代で和風スタイル（日本家屋スタイル）を造り込むには、もう一つの日本の伝統的家屋形態としての「町屋」をイメージして造ることが現代の敷地規模や都市生活に無理なく、和風スタイルを活かすデザインをまとめることができます。和風としての制約である「材料」の選定の意味・効果と住まい方を考えながら、デザインすることが重要です。