スパニッシュ・コロニアルスタイル

スパニッシュデザインといわれているものは、ムーリッシュ（ムーア人のデザイン）、ビザンチン（アレキサンダー時代のギリシャデザイン）、ゴシック（中世教会建築デザイン）、ロマネスク（アーチとドームを活かしたデザイン）の影響を広く受け入れたデザインで、イスラム教、キリスト教双方の融合されたものが、スペインの気候風土の中で形成されたものです。
特色は、開口部（扉と窓）で上方が半円形になったものや、長方形の扉や窓の場合には欄間を設けたり、額縁飾りを豪華に造ることなどが、建築デザインの中心的になっていることです。このスタイルは多くの場合、連窓によるリズムが建物デザインにダイナミックさを与えています。

スパニッシュ様式は、メキシコやアメリカ南部に多様なデザインが具体化されましたが、スペイン植民地政策の興亡とともに衰退していきました。20世紀に入ってから、パナマ・カリフォルニア博覧会がサンディエゴで開催され、そこで様々なスパニッシュコロニアル様式を博覧会の共通デザインとして使われたのを機に、スパニッシュコロニアル様式が再び高い評価を受けました。米国でランチハウスデザインなど様々な形で取り組まれてきたスパニッシュコロニアル様式を、この時代において再興したというものです。