モダンスタイル

このスタイルは、シカゴトリビューン（新聞社）がその本社ビルの建築にあたって世界的なコンペ（競技設計）を開催して登場したものです。その時の２位の当選作が、フィンランドの建築家エリール・サーリネンによるアールデコのデザインでした。このデザインは、最新の建築スタイルとして流行することになりました。それが一つの契機となって、1930年に入り鉄道を走る汽車、船舶、飛行機、自動車の登場に影響されたデザインが、現代風のデザインとして流行することになりました。それがモダンスタイルです。

このモダンスタイルは、建築物の表面から装飾を外し、アクセントとして幾何学模様を駆使して水平・垂直のヨコ・タテの方向性が強調されました。モダンスタイルの中には、完全に装飾を外したものと並んで、アールデコのデザインも含まれます。

フランク・ロイド・ライトの帝国ホテルや山邑邸（重要文化財）のプレーリー様式のデザインは、このアールデコのデザインを採り入れたモダン様式に影響を与えたものと考えることができます。
産業革命の成果ともいうべき人間の量産技術に対応した繰り返しのできる幾何学模様としてまとめられています。そこにモダンスタイルの装飾デザインに対する面目躍如たるものが示されています。